徳島県支部情報

支部長 後藤 立夫 / ごとう たてお(75文)
事務局  北岡 晃(85法)

※支部の連絡先は院友会本部へお問合せください。

折口信夫先生の歌碑 ~思い出の地で~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

徳島県小松市のJR南小松島駅前・折口信夫先生の歌碑。

徳島県支部 事務局長の北岡晃氏(85法)に歌碑についてご執筆いただきました。


小松島市は徳島県の東部中央、紀伊水道の沿岸に位置する小さな港町である。この町のJR南小松島駅前に、釋迢空(折口信夫)先生の歌碑が立っている。2本の桜の木に抱かれるようにして立つ、高さ1メートル60センチほどの苔むした青石(綠泥片岩)の碑(いしぶみ)である。

徳島市史編纂委員を務めた故・吉益讓(50師2)氏によると、折口先生は、國學院大學の卒業生の集まりである徳島県院友会支部に招かれて、昭和23年(1948年)118日に来県、22日まで短歌や民俗学に関する講演や座談会を行った。

「小松島の停車場降りてひたぐもる この夕暮も見覚えのある 迢空」 

 

と刻まれたこの碑の短歌は、21日の夕方、小松島を訪れたときに詠まれたものである。聞くところによると、この夜、市の素封家・西野氏邸に、文人達が集まり先生を囲んで、歓談に時を忘れたとか。そこで、参加者の一人であり、民俗学に造詣が深く歌人でもあった故・多田伝三氏(元小松島文化協会長、元小松島西高等学校長)に贈られたのが、碑文の短歌が書かれた先生直筆の色紙であった。

折口先生は、大阪の天王寺中学在学中に、修学旅行でこの地に来られたことがあった。下車したときに、当時を思い出されたのであろう。駅頭に立って、辺りを見回す先生の姿が彷彿として浮かんでくる。

多田氏の呼びかけと奔走によって、昭和53年(1978年)8月、先生の没後25年を記念した歌碑は完成した。因みに、碑文の文字は多田氏の筆によるものである。

星霜を経て苔むし、風格を加えた歌碑は、今も静かに、この街の一隅に佇んでいる。

北岡 晃氏(85法)記


※小松島はジブリ映画「平成狸合戦」のモチーフの地。改札を出ると駅前には「ぽんぽこ一家 希望の像」も立っている。新型コロナウイルスが終息した際は、一度訪れてみたいですね。

 

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